遺品整理の仕事を始めるには資格が必要かどうか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。実は、遺品整理士という民間資格を取得することで、知識と信頼を身につけることができます。
本記事では、資格の内容や取得方法、開業に必要な許可などをわかりやすく解説いたします。
遺品整理士資格とは?役割と信頼性について

遺品整理士資格は、故人の遺品を適切に扱う専門知識とマナーを持つことを証明する民間資格です。
遺品整理士の仕事内容と必要性
遺品整理士の主な仕事は、故人の遺品を整理・仕分けし、遺族に代わって不要品の処分や買取、供養の手配などを行うことです。遺族が抱える精神的・時間的な負担を軽減できるため、専門性の高いサポートが求められています。
遺品の中には重要書類や価値のある品物が含まれることもあり、誤って捨ててしまうとトラブルの原因になることもあります。そのため、専門知識を持った遺品整理士が関与することで、安心して整理作業を任せられるのです。
特に高齢化社会が進む日本では、今後ますます必要とされる職種といえるでしょう。
資格を持つことで得られる信頼とメリット
遺品整理士資格を持っていることで、遺族や関係者からの信頼を得やすくなります。なぜなら、資格を通じて遺品整理に関する法律知識や作業手順、マナーを体系的に学んでいることの証明になるからです。
また、資格取得者は「遺品整理士認定協会」からの支援も受けられ、業務中のトラブル対応や技術研修への参加なども可能になります。これにより、無資格者との差別化ができ、仕事の受注につながるケースも増えています。
さらに、信頼性があることからクレームやトラブルの発生も抑えられる傾向にあります。信頼と実務力を両立できる点が大きなメリットです。
遺品整理士資格の取得方法と費用

遺品整理士資格は、通信講座を受講し、カリキュラム修了後に課題を提出することで取得可能です。
受講条件とカリキュラムの内容
遺品整理士資格は、年齢や学歴に制限はなく、どなたでも受講できます。通信教育による講座形式で、自宅に教材が届き、独学で学習を進めるスタイルです。
カリキュラムの内容には、遺品整理の基本作業、法律知識、遺族への配慮、供養やリユースの方法などが含まれており、実務で必要とされる知識を幅広く学べます。特に遺品の中には重要書類や貴重品が含まれることがあるため、正しい取り扱い方を習得することが求められます。
この講座は、未経験者でも安心して始められる内容となっており、初めて遺品整理の仕事に挑戦したい方にも適しています。
資格取得にかかる費用と所要時間
遺品整理士資格の取得にかかる費用は、通信講座の受講料として税込で約77,000円(2024年時点)です。この費用には、教材一式、添削指導、認定費用が含まれています。
学習期間は個人差がありますが、平均して約1~2か月程度で修了する方が多いです。通信講座のため、自分のペースで進められるのが特徴です。仕事や家事の合間を使って学べるため、社会人の方にも人気があります。
資格取得後は、遺品整理士認定協会から認定証が交付され、すぐに現場で活動できるようになります。時間と費用をかける価値のある実用的な資格です。
遺品整理士の資格取得後にできる仕事とは

遺品整理士の資格取得後は、個人や法人として遺品整理業務に携わることが可能になります。
個人で働く場合の仕事内容と収益モデル
個人で遺品整理士として働く場合、主な仕事内容は、遺族からの依頼を受けて遺品の仕分け、不要品の処分、買取品の査定、遺品供養の手配などを行うことです。
特に、丁寧な対応が求められるため、信頼性と誠実さが大切になります。個人事業主として活動する際は、案件ごとに報酬を得る「作業単価制」が一般的で、1件あたり数万円から十数万円が相場です。
副業として始める方も多く、対応エリアや対応力を広げることで収入アップも期待できます。初期費用を抑えて始められる点も魅力で、柔軟に働きたい方に向いている仕事といえるでしょう。
法人・業者で活かすスキルとサービス内容
法人や業者に所属している場合、遺品整理士としてのスキルは現場の品質向上や顧客対応の差別化に活かせます。具体的には、遺品の分別、リユースの提案、行政手続きのサポート、特殊清掃の手配など、多岐にわたるサービスを提供します。
資格を持っていることで、顧客からの信頼も高まり、契約率の向上や紹介件数の増加にもつながります。また、業者として対応する場合は複数人で作業を行うことが多く、対応できる案件数も多くなるため、売上拡大が見込めます。
法人では福利厚生も整っている場合があり、安定した収入を得ながら専門職としてのキャリアを築くことができます。
遺品整理業の開業に必要な資格と許可

遺品整理業を開業するには、業務内容に応じて複数の許可や手続きが必要となります。
古物商許可の取得方法と注意点
遺品整理業で貴金属や家具、家電などを買取・再販する場合は、古物商許可が必要です。この許可は、各都道府県の公安委員会を通じて申請します。申請には、住民票や身分証明書、営業所の所在地図などが必要で、申請料は19,000円です。
取得までに約1〜2か月かかるのが一般的です。注意すべき点は、無許可での買取行為は古物営業法違反となり、罰則の対象になることです。また、許可を得たあとも、帳簿の記録や標識の掲示など、法律に基づいた運用が求められます。信頼される業者として活動するには、法令遵守が非常に重要です。
一般廃棄物・産業廃棄物収集運搬業許可の違いと必要性
遺品整理で出るゴミの種類によって、必要な許可が異なります。家庭から出る不用品を扱う場合は「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
一方、事業所から出る廃棄物や特殊な処理が必要なものは「産業廃棄物収集運搬業許可」が該当します。前者は各市区町村が管轄しており、取得のハードルが高く、許可業者と提携するのが現実的です。後者は都道府県の許可となり、講習の受講や車両の登録が必要です。
どちらの許可もないまま回収を行うと、法律違反になるリスクがあります。安心して事業を運営するためには、正しい許可を取得または提携業者を活用することが大切です。
開業に必要なその他の手続き(例:貨物運送業許可など)
遺品整理業を円滑に行うためには、他にもいくつかの手続きが必要です。たとえば、依頼者のもとへ荷物を運搬する場合、貨物軽自動車運送事業の届け出が必要です。
この届け出は運輸支局にて無料で行え、営業用ナンバー(黒ナンバー)の取得が必要になります。加えて、個人事業主として開業するなら「開業届」の提出や、消費税課税事業者になる見込みがある場合は「課税事業者選択届出書」の提出も検討しましょう。
これらの手続きを正しく行うことで、行政指導や罰則を回避できるだけでなく、信用力のある事業者として顧客から選ばれやすくなります。
遺品整理に役立つその他の資格・検定

遺品整理をより専門的かつ丁寧に行うためには、関連する資格や検定の取得も有効です。
生前整理・福祉整理に関する資格一覧
遺品整理に関連する分野として注目されているのが、生前整理や福祉整理です。たとえば「生前整理アドバイザー」は、本人が元気なうちに財産やモノを整理するための知識とアドバイス力を学べる資格です。
また、「福祉住環境コーディネーター」は、高齢者や障がい者の生活環境を整えるスキルがあり、施設入居前後の整理にも対応できます。
さらに「終活ガイド」や「エンディングノートプランナー」などの資格もあり、遺族や本人の希望を尊重したサポートが可能になります。これらの資格は遺品整理と相性がよく、顧客満足度の高いサービスを提供するうえで大いに役立ちます。
リユース関連や査定系のおすすめ資格
遺品整理の現場では、リユースや買取に関する知識が求められることもあります。たとえば「リユース営業士」は、中古品の価値を正しく見極め、適正価格での買取や販売を行うスキルを身につけられる資格です。
また、「遺品査定士」は、遺品の価値を適切に判断し、相続や売却時にトラブルを防ぐ役割を果たします。さらに「古物査定士」などの資格も取得することで、再販可能な品の取り扱いに強くなり、顧客からの信頼にもつながります。
こうしたリユース・査定系の資格を持つことで、サービスの幅が広がり、他社との差別化も図りやすくなります。
遺品整理士資格に関する注意点とよくあるトラブル

遺品整理士資格は便利な一方で、誤解やトラブルが起きるケースもあるため注意が必要です。
無資格業者との違いによるトラブル事例
遺品整理を依頼した際に起きやすいトラブルの一つが、無資格業者による不適切な対応です。たとえば、遺品の扱いが雑で大切な思い出の品を勝手に処分されたり、必要な許可を持たずにゴミを不法投棄されたりするケースがあります。
こうした問題は、業者が遺品整理に関する専門知識を持っていないことが原因です。一方、遺品整理士の資格を持つ業者であれば、法令を守りながら丁寧に対応してくれる可能性が高まります。
つまり、資格の有無はトラブル回避にも直結する重要な要素なのです。依頼前に資格の有無を確認することをおすすめいたします。
認定団体の違いや資格の信頼性について
遺品整理士資格は民間資格のため、発行している団体によって内容や信頼性に差があります。もっとも一般的なのは「遺品整理士認定協会」が発行する資格で、全国的に知名度と実績があります。
しかし、中には実績が少なく教育内容が不十分な団体も存在するため、注意が必要です。資格取得前には、認定団体の信頼性やサポート体制、講座の内容をよく確認することが重要です。
また、名ばかりの資格に惑わされず、実務で使える知識や法令順守の姿勢を学べるかが判断の基準になります。安心して活動するためにも、信頼できる団体の資格を選びましょう。
遺品整理業の料金体系と費用の決まり方

遺品整理の費用は、作業内容や物量、現場の状況によって大きく変わるのが特徴です。
基本料金の算出方法と項目例
遺品整理の基本料金は、主に作業人数・作業時間・トラックの大きさや台数をもとに算出されます。たとえば、1Kの間取りであればおおよそ3万~8万円が相場で、間取りが広くなるほど費用も上がります。
基本料金には、遺品の仕分け、不用品の袋詰め、搬出、簡易清掃などが含まれていることが一般的です。ただし、業者によって料金体系は異なるため、見積もりをよく確認することが大切です。
料金が安く見えても作業内容が限定されている場合もありますので、具体的な作業項目を把握することが安心につながります。まずは複数社の見積もりを比較することをおすすめいたします。
オプション費用や追加料金の仕組み
遺品整理では、基本料金に加えてオプション費用や追加料金が発生することがあります。たとえば、エレベーターがない建物での階段作業、大型家具の解体、貴重品の捜索、合同供養や特殊清掃などがオプションの対象です。
また、作業当日に予定外の量が出た場合や、事前に伝えられていなかった不用品が追加された場合も、追加料金が発生する可能性があります。
そのため、事前に「どこまでが基本料金に含まれているか」「追加料金が発生する条件」をしっかり確認することが重要です。納得のいくサービスを受けるには、事前説明と見積書のチェックが欠かせません。
遺品整理業の提供サービスと利用時の注意点

遺品整理業者は幅広いサービスを提供していますが、依頼前に内容と信頼性の確認が重要です。
一般的なサービス内容と範囲
遺品整理業者が提供するサービスは多岐にわたります。主な内容は、遺品の仕分け、不用品の回収と処分、必要品の保管、貴重品や書類の捜索、仏壇や人形などの供養の手配などです。
さらに、簡易清掃やリサイクル品の買取対応を行う業者も増えています。近年では、孤独死や事故物件の整理にともなう特殊清掃まで対応可能な事業者もあります。
ただし、すべての業者がこれらを行っているわけではないため、契約前に具体的な対応範囲をしっかり確認することが大切です。必要な作業が含まれているかをチェックし、見積もりに反映されているか確認しましょう。
利用者が注意すべき業者選びのポイント
遺品整理業者を選ぶ際は、料金の安さだけでなく信頼性や対応の丁寧さにも注目することが大切です。まず確認すべきは、遺品整理士資格や古物商許可を持っているかどうかです。
無許可業者に依頼すると、法的なトラブルや不適切な処分が発生する恐れがあります。また、見積書に作業内容が明確に記載されているかも重要なポイントです。
さらに、電話やメールでの対応が丁寧か、契約前に現地確認をしてくれるかなども信頼性を見極める材料になります。複数の業者に相見積もりを取り、比較検討することで、安心して依頼できる業者を見つけることができます。
まとめ
遺品整理を仕事として行うには、遺品整理士の資格を取得することで専門的な知識と信頼を得られます。資格取得後は、個人でも法人でも活躍でき、法的に必要な許可を取れば開業も可能です。また、生前整理やリユースに関する資格をあわせて取得すれば、より幅広いサービスが提供できます。
ただし、無資格業者とのトラブルや資格の信頼性にも注意が必要です。信頼できる資格と業者選びで、安心して遺品整理の仕事に取り組んでください。




